世界で、最も罹患率の高い感染症がインフルエンザです。どの世代も満遍なく罹患しているイメージがありますが、実際どの世代が罹患しやすいのでしょうか。
厚生労働省が発表しているインフルエンザ罹患者数のデータを元に世代別の罹患傾向についてご紹介したいと思います。
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インフルエンザは様々な感染経路がある
インフルエンザの感染経路は主に飛沫感染ですが、接触感染や空気感染の可能性もあります。飛沫感染は罹患者の咳やくしゃみによって感染し、接触感染は飛沫に汚染された物に触れた手を介して感染していきます。すなわち手に付いたウィルスが目や鼻・口の粘膜から侵入していくのです。
また、空気感染においては空気が低温で乾燥している状態である程拡散してしまうために感染してしまいます。それらのような様々な感染経路を有しているため、インフルエンザにかかっている人がいる空間には様々なリスクが存在します。
年間のインフルエンザの感染者数について
厚生労働省は、5000ヶ所の定点医療機関から報告を元に、定点以外を含む全国の医療機関に訪れたインフルエンザの感染者数を発表しています。
各年の流行のピーク時1週間に、全国の医療機関に受診した患者数を0〜4歳、5〜9歳、10〜14歳、15〜19歳、20代、30代、40代、50代、60代、70代以上に分けて推計しました。(2014〜2019年の統計)
2014年約187万人(2014年1月27日〜2月2日)
年齢別では、5~9 歳が約44万人、10~14歳が約26万人、0~4歳が約25万人、30代が約23万人、40代が約20万人、20代が約15万人、50代が約12万人、15~19歳、60代がそれぞれ約8万人、70歳以上が約6万人の順となっています。
2015年 約 206 万人(2015年1月5日〜11日)
年齢別では、20代が約30万人、30代が約28万人、40代が約26万人、0~4歳、5~9歳、50代、70歳以上がそれぞれ約20万人、10~14歳が約16万人、60代が約15万人、15~19 歳が約13万人となっています。
2016年約 205 万人(2016年2月8日〜14日)
年齢別では、5~9歳が約46万人、0~4 歳が約27万人、10~14歳が約26万人、30代が約25万人、40代が約24万人、50代が約15万人、20代が約14万人、60代が約11万人、15~19歳、70歳以上がそれぞれ約9万人の順となっています。
2017年約 201 万人(2017年1月23日〜29日)
年齢別では、5~9歳が約35万人、10~14歳が約32万人、0~4歳、15~19歳がそれぞれ約20万人、40代が約19万人、30代が約18万人、70歳以上が約16万人、20代、50代がそれぞれ約15万人、60代が約12万人となっています。
2018年 約283万人(2018年1月15日〜21日)
年齢別では、5~9歳が約59万人、10~14歳が約40万人、40代が約29万人、0~4歳が約27万人、50代が約24万人、70歳以上が約23万人、30代が約22万人、15~19歳が約21万人、60代が約20万人、20代が約19 万人の順となっています。
2019年約213万人(2019年1月14日〜20日)
年齢別では、0~4歳が約25.4万人、5~9歳が約35.4万人、10~14歳が約26.0万人、15~19歳が約13.6万人、20代が約18.9万人、30代が約21.0万人、40代が約24.1万人、50代が約18.1万人、60代が約14.2万人、70代以上が約16.2万人となっています。
厚生労働省:「インフルエンザに関する報道発表資料」
インフルエンザ世代別の罹患傾向について
上記の統計結果より、5〜9歳、0〜4歳、10〜14歳の順で感染がかかりやすく、70代以上、60代、15〜19歳の感染人数が少ないことが分かります。
これらの年齢別の傾向から推察できることは、免疫が不十分な乳幼児、小学生の子供世代で感染者数が多いということです。また、保育園、幼稚園、小学校学の集団生活をしていていることもあり、一人が感染すると急速に周囲に広まってしまいます。
また、大人に比べて子供の場合はうがい・手洗いやマスクの着用、除菌剤の使用等のインフルエンザ予防に対しても、自発的にしにくいことも考えられます。
そして、インフルエンザに罹患した子供を看病しているうちに親へと感染し、家族全員が次々と2次感染してしまうというような事態を引き起こします。
感染した子供を完全に隔離しておくというのは難しいため、他の家族への感染を防ぐためには次亜塩素酸水溶液+加湿器など空間ウイルス除去など徹底しましょう。
参考:次亜塩素酸水を超音波加湿器に入れて空間除菌へ応用。その効果は?
一方、感染者人数が比較的すくない世代は60歳を超える世代です。感染者数がそのほかの世代と比較して少なくなっている理由は、人との単純接触回数の減少が考えられます。インフルエンザを罹患している人たちと触れ合う機会が少なければ、うつる可能性も低くなるのは当然です。
ただし、高齢者は全般的に免疫力が弱くなっているため、一度感染すると長期化したり、重症化しやすく、合併症を起こしてしまうことも少なくありません。
インフルエンザの二次感染で最も多いのが「肺炎」で、肺炎が重症化すると最悪死亡する危険もあるのです。
世代別で見て少ないですが、予防に努めることは大切です。
インフルエンザを予防するためには基礎体温を高めよう
インフルエンザに罹患すると免疫反応として高い熱を出し、自身の免疫力を高めて、ウイルスを退治します。ただし、高熱が続く時には脱水症状の恐れもありその他の合併症の疑いもあるため、早めに病院に行くよう心がけましょう。
インフルエンザを予防するためには、体の免疫力を高めることが非常に効果のある方法となります。人の体は体温が下がると免疫力が低下します。逆に、体温が上がると血液の流れがよくなり免疫力が高まります。
免疫を司る白血球が血液中に存在し、血液のめぐりが良くなることで、異物を排除する働きが活発になります。
体温を1℃上げると、免疫力は向上する
イシハラクリニック院長石原結實氏によると、「人の体温は従来、36.5℃以上で正常に働くようにできています。体温が1℃下がると、エネルギー代謝は12%下がります。また、体温が1℃下がると、白血球の働きが30%以上も下がる」と言われています。
そのため、基礎体温を高めることが免疫の向上に繋がり、結果としてインフルエンザの予防効果を発揮します。
そのため、飲み物、食事、生活習慣を見直してみましょう!
紅茶、ココア、ウーロン茶、甘酒、プーアール茶などは体を温める作用がある飲み物として知られています。
食べ物としてオススメなものは、生姜、牛肉、ネギ、レンコン、キムチなどです。
生活習慣として体温アップのためにオススメなことは、運動をする(適度な筋肉トレーニング)、入浴、サウナなどが挙げられます。
いきなり全て変えることは難しいとは思うので、これだ!と思うことから今の生活に取り入れてはいかがでしょうか。
また、体温アップだけでなく、下記にインフルエンザ予防防マニュアルをまとめております。
参考:【まとめ】インフルエンザ予防マニュアル!これだけは試したい9の対策
以上、インフルエンザの年代別の感染の傾向について比較についてご紹介しました。