『風邪菌』と呼んでいる人は知らないインフルエンザと風邪の違い

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【追記2018年10月18日】  インフルエンザと風邪

あなたの周りで風邪菌と言っている人いませんか?

「この間、子供が風邪菌もらってしまって、熱が出て大変だったの。」や

「今どこどこの幼稚園で風邪菌が流行ってて大変みたい」などです。

実は、風邪菌っていう言葉はそもそもありません。菌とは細菌(バクテリア)または、真菌(カビ)をさしますが、邪はウイルスが原因なので、『風邪ウイルス』が正しいのです。

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インフルエンザは昔勘違いで名前が風邪になった

世界的に流行したパンデミックを日本では、当時「スペイン風邪」、「ロシア風邪(Aソ連型)」などと〇〇風邪と訳していたので、医療業界では、インフルエンザは風邪の一種と思っている人もいたそうです。

補足:パンデミックとは、ある伝染病が次々に感染していき、死亡被害が重大で世界的に感染し流行していることです。

しかし、感染症の原因となるウイルスは全くの別物です。

インフルエンザはインフルエンザウイルスですが、風邪にはコロナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルスなどあります。風邪の90%以上はウイルス由来です。

風邪症候群を引き起こす風邪ウイルス

インフルエンザウイルスを病原体とするものをインフルエンザと呼び、お医者さんが言う風邪の意味は、ウイルスによる上気道炎、つまり、鼻からノドくらいまでが炎症していることを指します。つまり、風邪は呼吸器疾患の総称で様々な感染症を寄せ集めた症候群です

風邪症候群をもたらすウイルスの割合は下記です。

コロナウイルス 10%

アデノウイルス 3〜5%

ライノウイルス 30〜40%

パラインフルエンザウイルス 15〜20%

RSウイルス 5〜10%

インフルエンザウイルス 5〜15%

その他細菌由来(マイコプラズマやインフルエンザ菌など)の風邪もあります。

インフルエンザと風邪ウイルスの大きさの違いでおきる空気感染

ウイルスってどのくらい飛ぶか知っていますか?

ウイルスがかなり小さく軽いので、空気に散乱してうようよしています。このような空気感染するウイルスは感染する力が強いです。例えば、インフルエンザウイルスやはしかなどがこれに当たります。(インフルエンザは0.1um)

補足:1um(マイクロメートル)は1mmの1000分の1の大きさです。

風邪ウイルスのライノウイルスやアデノウイルスも空間に浮遊できるくらいの大きさです。

しかし、感染力がインフルエンザよりも低いため、くしゃみをしても、2m程度離れていていれば飛沫感染はしません。もちろん、その風邪ウイルスがついたものを触って口や鼻から接触感染はあるので、十分に注意してくだいね。

インフルエンザと風邪の症状や特徴の見分け方

風邪で重症化するケースはありますが、死に至ることはありません。しかし、インフルエンザには、パンデミック級な流行をしなくても、抵抗力の弱い乳幼児、子供、老人など最悪お亡くなりになる場合があります。

まずは風邪とインフルエンザの違いを知ってこそ立ち向かうことができると思います。

以下に症状と特徴の違いをまとめたので、ご覧ください。

注意:人によっても個人差もあるし、年齢によって一概には言えませんが、大人の方が幼児に比べて完治スピードは早いと思っておいてください。
 

風邪をチェック

・咳やくしゃみから感染し、鼻の粘膜から侵入しそこでどんどん増えて感染します。

・初期症状は、鼻やノドの乾燥した感覚です。

・進行した時の症状:鼻水や鼻が詰まり、微熱がでます。 

※熱が出ない人もいますので他人にうつしやすいです。

・症状はゆっくり進行していく

・潜伏期間1〜3日で通常5日〜1週間で完治します。

・一年中感染の可能性があります。

風邪予防のワクチンはありません

インフルエンザをチェック

・せき、くしゃみ、手に付着した唾や空気に乗ってそれを口や鼻から吸い込んで感染します。

・初期症状は、急な発熱、寒気を感じ、頭痛があります。

・進行した時の症状は、ダルさ、高熱、節々が痛くなります

・さらに急激に症状が悪化します。

・潜伏期間は2〜5日で、10日程度で完治します。

・空気が乾燥する時期に感染の可能性が高いです。

インフルエンザ予防のワクチンがあります。

なんでインフルエンザにはワクチンがあるのに風邪にはないのか

先ほどもお話ししましたが、代表的なライノウイルスだけでも100種類以上あることが判明しています。違った種類だけ風邪にかかる可能性があるので、何度も風邪をひいてしまうのです。

それが、違う風邪ウイルスもあるので、数が多すぎるために特定することが困難なのです。

別の言い方というか言い訳かもしれませんが、あらかじめワクチンを作って予防しなくても、そこまで大ごとにならないから風邪は自然治癒にまかそう!と言うことです。

インフルエンザと風邪のワクチン

え?でもインフルエンザだってたくさん種類があるんじゃないの?と思う方は正解でもあるし、不正解でもあります。

インフルエンザは大きくA型B型C型に分かれます。強さは、A>B>Cとなっており、Aが一番厄介です。冬場に大騒ぎするのはA型なのです。

インフルエンザA型の特徴

人に感染すればするほどウイルスの形が変わっていくために進化のスピードが速いので、予防するためのワクチンが効かない場合がほとんどです。

呼吸器系の合併症もあるので要注意です。

インフルエンザB型の特徴

 決まった形で出てくるので、予防接種のワクチンで流行を抑えることが可能です。実は、症状がA型とは違い、腹痛や下痢など消化器系の症状がでやすいことと、症状はA型に比べれば軽度で治ります。

インフルエンザC型の特徴

多くの人が子供の時に、感染して一度感染すると免疫がついてC型にはもう今後なりません。軽度の風邪の症状に似ていて気づかない場合もあるとか。

インフルエンザのA型のワクチンについて

インフルエンザウイルス(ここではA型のみお話)が流行る前にこのような形と予測して、そのワクチンを作ります。形がビンゴすれば、感染したとしても軽度でまたは感染しないです。

しかし、インフルエンザウイルスは、人以外の動物(水鳥など)にも住み着き進化を繰り返して形を変えます。なので、予防接種のワクチンが効かなくて集団感染が起こってしまうのです。

インフルエンザや風邪には抗生剤もウイルスを殺す薬もない!

ウイルスを殺すことができないのであれば、今までインフルエンザや風邪の時に処方された薬は何なんだ?と思われたと思います。

まず、基本的なことですが、細菌には抗生剤は効き目がありますが、ウイルスには効果がありません。つまり、風邪には効果がないということです。

疑問:解熱剤や炎症を抑える薬などは抗生物質とは別ものです。

しかし、風邪ではなく、感染症の中にもウイルス性のもの、細菌性のものがあるのです。

補足:風邪はウイルスなのですが、風邪のような似た症状が見える大きな括りの感染症もあります。例えば、熱が出たからといって医者がこれはウイルス性か細菌性なのか見分けることは不可能です。

これは、実は本当に難しく、どうやって見分わけるかという医学的な根拠をもって100%断定できないのが現実なのです。

確率的に絞っていき、細菌性の感染症と判断した時には、抗生剤を原則使用します。

※医師の判断で、軽度の場合は経過をみて使用せずに自然の免疫で治す場合もあります。

抗インフルエンザの薬は免疫の手助けをしている

今出ている抗インフルエンザ薬のタミフルやイナビルなどの効果は、これ以上ウイルスを増やさないように邪魔をして悪化させないようにすることはでる薬です。

しかし、インフルエンザウイルスに直接攻撃をして殺してしまうことはできません

疑問:抗生物質は細菌に直接攻撃をして殺菌します。

インフルエンザの兆候が見えた時には病院に行き、すぐに処方してもらったほうがいいです。

その理由は感染した時に、インフルエンザが増えるスピードが体の免疫によるインフルエンザをやっつけるスピードより速いのでどんどんインフルエンザウイルスが増殖していきますが、大体48時間を境に体の免疫のやっつけるスピードが追い越して徐々に治癒していきます。

例えるならば、かけっこで例える人間と、自転車です。必ずスタートでは、人間に方がはやく前を走りますが、いずれ自転車が人間を追い越すそのような感じです。

なので、できるだけ遅い人間に走ってもらうためにも早めに係り付けの病院を受診してください。

インフルエンザと風邪の違いを医者がチェック

まとめ

風邪とインフルエンザの違いについてご紹介しました。

ポイントをまとめると、風邪もインフルエンザもウイルスです。どちらも抗生物質を処方はされませんが、医師の指示の時によって出てきたら、先生のその意図を聞いて納得できるまで聞く姿勢が大切です。

急な高熱、感染した時期、だるさや頭痛の症状でインフルエンザかも!と思い48時間より前に病院にいき処置することで、治療期間は短縮されます。

風邪とインフルエンザの違いを少しでもお役に立てれば幸いです。