保育園・幼稚園でインフルエンザやノロウイルスを広げないためにすべきこと

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インフルやノロが流行するシーズンになると対策やその対処に追われます。

幼稚園や保育園の先生たちが現場で疑問に思ったことに対する回答をご紹介して少しでもお役に立てれば幸いです。

Contents

インフルエンザ予防として空気清浄機に効果はあるか?

クリーンルームなどで使用されているような高性能フィルターの(HEPAフィルター)をつけている空気清浄機には濾過機能によって効果がありますが、一般的な空気清浄機にはありません。

また、イオン発生させて殺菌を謳う商品にもほとんど効果がないことが論文により発表されています。

参考高性能の空中浮遊インフルエンザウイルス不活化を謳う市販各種電気製品性能評価

しかし、次亜塩素酸水を入れた超音波噴霧器を使い物理的に噴霧することでウイルスを除去することができます。

次亜塩素酸水の濃度によっても効果が変わってきます。空間除菌をするのであれば、超音波加湿器を使い、次亜塩素酸水(※次亜塩素酸ナトリウムではありません)の濃度は50ppm~70ppmがオススメです。

加湿器+次亜塩素酸水

加湿器と一概に言っても、加熱式や送風式などいくつか種類があります。物理的に拡散させるのであれば超音波加湿器が適しています。

その他ウイルスや細菌に対しての空間除菌の効果や安全性についてもも下記を参考にしてください。

参考次亜塩素酸水を超音波加湿器に入れて空間除菌へ応用。その効果は?

インフルエンザはワクチン接種で予防はできるか?

インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3つの型がありますが、その型の中でも構成するタンパク質の組み合わせによって種類が増えます。

毎年流行するインフルエンザのウイルスを特定して予想し、ワクチンを作りはじめます。

そのため、流行している型とは違う種類のワクチンでは効果がないためワクチンを打ったからと言って感染しないわけではありません。

但し、インフルエンザに感染したとしても重症化になりにくいといったメリットもあるため免疫の低い子ども達は定期接種のワクチンと被らないように接種することをおすすめします。

参考インフルエンザワクチンの予防接種はいつから?ワクチンと副作用について

インフルエンザやノロウイルスは何度も感染する可能性がありますか?

インフルエンザ同様に感染力が強いのがノロウイルスです。(ノロウイルスのワクチンはありません)

それ以外にもアデノウイルス、ロタウイルス、RSウイルスなど幼稚園・保育園では1年中対策をしなければいけません。

おたふく風邪や水ぼうそうなど1度感染すれば2度感染する可能性が低い感染症もありますが、ノロウイルスやインフルエンザは1シーズンに2度感染することもあります。但し、ロタウイルスは2回目以降かかりにくいと言われています。 

幼稚園・保育園でノロウイルス対策

ノロウイルス対策として次亜塩素酸ナトリウムの活用と注意点

次亜塩素酸ナトリウムは家庭でも使用している漂白剤の成分で身近にあるので馴染みがあると思います。ノロウイルスに効果がありますが、使い方に注意が必要です。

嘔吐処理の時に次亜塩素酸ナトリウムは金属製の物に使うと腐食が起きやすいこと、人体に直接触れた場合皮膚が溶けるため害があること、噴霧して呼吸器に影響を与えることなど取り扱いに気をつけてください。

希釈して使用するときには使い切ってしまい、余ったときには捨ててください。(効果は薄めてから数時間で効果が低下していくため希釈後すぐに使用します)

ノロウイルスを含む嘔吐物の処理の注意点は?

ノロウイルスの疑いがある嘔吐物・糞便の処理後、その部屋(周辺)になるべく入らないでください。また、処理する人も大人数になると処理している人自身が2次感染する可能性があるため十分に注意が必要です。

基本的には0.1%に次亜塩素酸ナトリウムを希釈した消毒液を用いて処理を行います。また、処理後した後10〜30分程度消毒液を浸したペーパータオルで置いておく必要があります。

参考感染症ノロウイルスに対する次亜塩素酸ナトリウムの薄め方について

置いていたとして有機物に触れることで次亜塩素酸ナトリウムの濃度が低下すると効果が低くなるため汚物を綺麗に取り除くことが大切です。但し、空間に次亜塩素酸ナトリウムを噴霧することは極めて危険なので絶対にしないでください。

空間噴霧する場合は、次亜塩素酸水溶液など安全かつノロウイルスへの効果試験が行われているものでやるべきです。

また、日常の清掃でも同様に、次亜塩素酸水溶液でドアノブ、手すり、トイレ、スイッチ、おもちゃなどを除菌することもできます。

汚れたおむつや嘔吐物など二重の袋にして漏れないように密閉してください。感染症の疑いがある場合は、幼保園で安全に処分してください。

長くなればなるほど他の人にうつるリスクは高くなっていきますので、迅速に且つ人数は1人または2人で処理をしてください。

一方、通常のおむつに対して幼保園保護者にお持ち帰り頂いているところもありますが、それよりもすぐに安全に処分できる環境(1度捨てたら業者の人のみ取り扱いし、保育士の方が極力触れないようなところ)を整える方がいいです。

アルコールはノロウイルスに効果はありますか?

 アルコール消毒剤はノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなどのノンエンベロープウイルスには効果が低いです。

最近では、効果があるアルコール消毒剤も出ていると言われますが、それがどのくらいの時間で除去できているかが問題です。エビデンスを確認しましたが減少に効果があったことは事実でありますが、徐々に効くでは弱いのではないでしょうか

一方、塩素系消毒剤と言われる次亜塩素酸ナトリウムは効果があります。しかし、取り扱いに注意が必要で、金属の腐食や皮膚に対して刺激性があります。

汚物(嘔吐物た糞便)の処理や床の清掃などに使用することをお勧めします。また、次亜塩素酸水溶液も同じ塩素系ではありますが、安全に且つ効果的に使用することができます。

参考ノロウイルス対策に効果がある除菌剤について比較しました!

その他の幼稚園や保育園で感染症を防ぐポイント

やむをえず嘔吐や下痢があっても登校されるケースがありますが、基本的に受け入れはしてはいけません。必ず発熱、嘔吐、下痢の状況を確認してから登園受け入れをしてください。確認が漏れてしまった場合は速やかに別室に隔離して十分に除菌剤を活用してください。

 幼稚園・保育園でインフルエンザ対策

感染症は人から人に伝播していくため、タオルなど子供たちが共有するものを無くし別々にすべきです

オムツの交換場所も間接的に触れ合ってしまうため、何度も消毒するのではなく、触れないようにタオルに広告の紙や新聞紙等で2重にしてその紙を1回ずつ交換して最後に除菌剤できれいに清掃する方が衛星的です。

以上、保育園・幼稚園でインフルエンザやノロウイルスの感染症を広げないためにすべきことについてご紹介しました。