インフルエンザの生存期間はどのくらい?インフル対策のアルコール除菌剤の注意点

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 アルコール殺菌剤

インフルエンザは秋の寒くなってきてから春にかけて猛威をふるい世界的にも非常にやっかいな感染症のひとつですね。

通常、インフルエンザウイルスは、冬季の乾燥と低温の条件下では長く生息することができるため、春までになるのが通例です。

しかし、インフルエンザ報告例は少なくなりますが、その時期だけではないことをご存知でしたか?

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インフルエンザは季節関係なく1年中ある

一番流行がない時期でも、国立感染症研究所が統計をだしている統計をみると定点医療機関5000ヶ所で、1週間の患者数が0.12人なので約600人は来ていることが分かります。

一番流行しない8月の中旬の1週間でこれだけの人数がいるのは驚きですね。

補足:2017年−2018年のシーズンはここ10年の中で2番目に流行しています。流行が抑えられた時期の同じ1週間のデータでは、0.01人なので全国で約50人程度です。

参考:風邪とインフルエンザの違いをまとめました!こちらからどうぞ!

夏のように温かい季節には、気道の中にある線毛が活発に働くことで、インフルエンザウイルスの侵入を抑制していること、湿気が多いこと、ウイルスが低温を好むため活発ではないことなどが挙げられます。

ところが、冬の季節には腺毛の動きが鈍化しやすくなるため、インフルエンザウイルスの攻撃に対しては極めて脆弱な状態になり、ウイルスの活動も活発化することが相まって、全国的に流行する事態に発展することになります。

夏場には、お年寄りを中心にして、体力が弱っている人がウイルスに感染することが多いので周りの人も注意してください。

インフルエンザと季節の関係

インフルエンザが流行する時期は、気候の影響と連動しており、多少の違いはあっても毎年のように同じ状況になります。

先ほどの冬の季節に流行しやすい理由以外に、風が強い状態が続くことも影響しています。

太平洋側では日本海からの季節風が吹き荒れ、乾燥した空気が強風で巻き上げられるようになるため、インフルエンザウイルスも空気を介して侵入しやすくなる仕組みです。

熱や湿度による影響で衰えることがないため、現代人にとっても大変な脅威になります。

冬の季節にインフルエンザが流行する背景には、人間の免疫力の低下も関係しています。

インフルエンザウイルスの生存期間

たった1個のインフルエンザウイルスが体内に入り、体の中で増殖を繰り返して、感染してから24時間後には、ウイルスの数は100万個以上に増殖すると言われています。

ウイルスが100万個を超えると、インフルエンザの症状があらわれてくると考えられるので、潜伏期間は1日から2日程度となります。またインフルエンザが治った後でも、ウイルスは体内に残っています。

その生存期間としては微熱後でも2日間は続くでしょう。

参考 浜松医療センターホームページ

インフルエンザウイルスは体外で増殖することはありません。体外に放出され、通常の飛沫が付着した場合には、生存期間は短く、およそ2時間から8時間ほどで、感染する可能性はなくなります。

例えば部屋の温度が8℃前後で、湿度が25%ほどだった場合、およそ6時間後には、インフルエンザウイルスの生存確率は63%になるという研究結果が発表されています。

インフルエンザウイルスは湿度50パーセント以上の条件下で、生存率が急激に減少するため加湿することがひとつの対策となります。

しかし、生存期間内に、手に付いたウイルスを口にふくんでしまうことで感染するケースも見られるので、手に付いたウイルスは、しっかりと手洗いをしてアルコールや次亜塩素酸水溶液で除菌することが大切になります。

参考Influenza Virus Transmission Is Dependent on Relative Humidity and Temperature

インフルエンザにアルコール除菌の効果は?

もちろん、インフルエンザになった時には、アルコール除菌をしても効果はありません。

また、アルコール除菌はインフルエンザウイルスを除菌するために効果がありますが、次亜塩素酸水と比べたときに除菌するスピードが遅く時間がかかってしまいます。

ただし、アルコール除菌は幅広い菌やウイルスの効果はあり広く使われています。

感染した家族を看病する際にはアルコールや次亜塩素酸水を使用して除菌をすることが二次感染を防ぐことができます。

アルコール除菌をする場合手洗いがすぐにできない場合に使用することをオススメします。

アルコールは濡れている状態だと薄まって効果がなくなってしまうためしっかりと水分をとって使うようにしましょう。

基本は、手洗いで、石鹸には界面活性剤という成分が配合されており、界面活性剤の働きで手に付着しているウイルスを洗い落とせます。

手洗いは手全体をしっかりと洗うようにして、手首も石鹸で洗うようにします。手首を洗う人は少ないですが、手首にもウイルスが付着していますので、そのままにしておくとウイルスに感染してしまいます。

アルコール除菌

アルコールの除菌メカニズム

アルコールが殺菌ウイルスや細菌に対する殺菌のメカニズムはいくつかあります。

●ウイルスなどのタンパク質を壊して形を保てなくさせて殺す方法

●細菌の細胞膜に含まれる油分を溶かして界面活性の作用を利用して殺す方法(石鹸をイメージすると分かりやすいです)

●アルコールは揮発性が強いので、細菌などの水分も取ってしまって水分が取られてしまい乾燥して殺す方法(手の皮膚などひび割れを起こしたりしますよね)

これらは全てのウイルスや細菌に有効なわけではありません。

ノロウイルス(ノンエンベロープウイルスといい、アルコールが入り込めません)や芽胞菌(殻に守られているイメージ)などにはほとんど効果がありません

アルコール除菌を使う際の注意点

様々は菌やウイルスに効果が一定にあるので使い勝手がいい反面デメリットや条件があり守らないと意味が無くなってしまいます。以下のことに注意してアルコール除菌を使いましょう。

・アルコール除菌は使っていると手に含まれる油分を取ってしまうため、肌荒れの原因になります

・濡れている物にアルコールを使用しても効果が薄まり意味がなくなる

・100%の無水アルコールは刺激も強くすぐに揮発してしまうため殺菌力がほとんどない

・刺激物なので乳幼児の誤飲に気をつける(事故が毎年起こっています)

・たくさん噴霧することでアルコールが気化し吸引してしまいます

・アルコールは燃えやすい物質なので取り扱いに注意が必要です

・アルコールは70%前後が一番効果を発揮してそれよりも濃度が薄くても高くても効果が薄まります(分子量が関係しているそうです)

まとめ

除菌=アルコールというイメージが日本人は多いですが、使用するときには注意が必要です。

先日もニュースで子供がアルコール除菌剤を誤飲したという事故が起きたとありました。実は、それはその除菌剤からいい匂いに誘引されて、間違って赤ちゃんや子どもが飲んでしまうことが1番の原因です。

子供の手の届かないとこに置いておいてもついつい忘れがちになります。使用と管理場所には十分気をつけましょう。

また、手荒れや肌荒れを防ぐために保湿クリームを手に塗るようにして工夫したほうがいいでしょう。

以上、インフルエンザの生存期間はどのくらい?インフル対策のアルコール除菌剤の注意点をご紹介しました。