ヨーグルトに含まれる乳酸菌でインフルエンザ予防に効果がある?

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ヨーグルトインフルエンザ

インフルエンザ予防に効果のあるものとしてヨーグルトが注目されています。ヨーグルトに含まれる乳酸菌の働きにより、インフルエンザだけでなく、風邪の予防、整腸作用、花粉症といったアレルギー症状を抑える効果、ダイエット効果などもあります。

 

また、カゴメ株式会社と医療法人石塚産婦人科との共同研究によると、ラブレ乳酸菌は腰や手足の冷えなどを改善することができ、肩こりや腰痛、女性の更年期症状などを改善してくれるそうです。

 

そのような様々な効用が最新の研究で分かってきております。そこで、乳酸菌によるインフルエンザの予防効果に関わる研究結果についてまとめてご紹介します。

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ヨーグルトの中に生きている様々な菌で免疫を上げる効果

ヨーグルトがインフルエンザの予防に効果があると言われているのは、ヨーグルトに含まれるそれぞれの菌(乳酸菌やビフィズス菌など)が体を活性化して免疫力を高めるためと言われています。

 

最近では、インフルエンザ予防に効果のあるヨーグルトとしてR-1ヨーグルトやカスピ海ヨーグルトなど独自に発見した乳酸菌にて研究が盛んに行われています。

 

1日ですぐに効果がでるというわけではなく、定期的に(毎日)摂取する必要があります。

 

補足:特に、ビフィズス菌は胃酸に弱いので、胃酸が薄くなり影響を受けにくい食事の後にとると良いそうです。ビフィズス菌だけを摂取するよりそれらのエサになる食物繊維やオリゴ糖なども一緒に食べると効果的で、ヨーグルトにバナナを混ぜ、甘みについてはオリゴ糖やハチミツなどをつけるのがオススメです。

 

乳酸菌が産生する多糖EPSによって免疫を向上

乳酸菌

明治ホールディングス株式会社にて行われてマウスの実験によると、1073R-1乳酸菌いわゆるR-1乳酸菌が体外から侵入してきたは病原体を攻撃する「NK細胞」の働きを活発にすることが分かりました。

 

乳酸菌が産生する菌体外多糖EPS(Extracellular Polysaccharide)と呼ばれサイトカインと呼ばれる免疫系の伝令物質に働きかける作用があります。

 

EPSを直接マウスに与えた場合だけでなく、乳酸菌1073R-1株が含まれるヨーグルトを与えた場合も同様にNK細胞が活性化することができます。

免疫を向上させる効果はあるのですが、ノロウイルスの予防効果への結果は得られていません。しかし、乳酸菌飲料を毎日摂取していた方が治りが早くなりました。

参考乳酸菌はノロウイルスに効果があるのか?

乳酸菌のクレモリス菌FC株免疫向上効果

フジッコ株式会社は、クレモリス菌FC株という乳酸菌の1種を使った実験を行なっております。

クレモリス菌FC株が作るEPSは、ヒトの消化液で分解されないことが確認されていますので、クレモリス菌FC株とEPSはどちらも大腸まで届いて働くと考えられます。

クレモリス菌FC株を使った実験で明らかとなったことは以下のことです。

 

・食べ物を飲み込む嚥下機能の衰えた方(高齢者)の食品として適していること

・粘り気のあるEPSには、免疫細胞を活性化する働きがあること

・ストレスによる肌皮膚の血流量や水分量を保つ肌の機能が低下を改善すること

・食後の血糖値の上昇をゆるやかにすること

参考「カスピ海ヨーグルト研究会」カスピ海ヨーグルトの粘り成分にはどのような効用があるか

インフルエンザ予防として活躍する免疫グロブリンAの増加

免疫の中で大きな役割を担っているのが免疫グロブリン(Immunoglobulin、略称Ig)と呼ばれ、血液中や組織液中に存在しています。

 

補足:免疫グロブリンには、A、E、G、M、D、の5種類があります。

 

免疫グロブリンAは、人の腸管、気道、口腔などの粘膜や初乳に多く存在しており、細菌やウイルス感染の予防(体内への侵入を防ぎます)する役割があります。

免疫グロブリンA濃度が低下すると、ウイルスなどの侵入を許して、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

 

実験では、健康な高齢者を対象に、12週間にわたり1073R-1乳酸菌を含むヨーグルト(1日1回100g)を毎日食べてもらい、他の乳酸菌で発酵したヨーグルト食べた人と比較しました。

その結果、1073R-1乳酸菌を含むヨーグルトを食べた人は、インフルエンザA型(H3N2)に反応する唾液中免疫グロブリンA濃度の増加率が有意に向上することが分かりました。

 

乳酸菌によりインフルエンザワクチンの効果アップ?

1073R-1乳酸菌が含まれるヨーグルトを定期的に摂取することによりが、インフルエンザワクチンを接種した後に体内で作られるインフルエンザワクチン株に対する抗体の量(抗体価)に与える影響について研究されました。

 

健康な方(25歳以上59歳以下の男女で、ワクチン株に対する抗体価が40倍未満(陰性)の健常な人)を対象に、インフルエンザワクチンを接種する3週間前から1073R-1乳酸菌を含むヨーグルトドリンクを毎日飲み、インフルエンザワクチン接種の前と後で体内に作られたインフルエンザの抗体価を測定しました。

 

その結果、1073R-1乳酸菌を含むヨーグルトドリンクを毎日飲んだ人は、対照区と比較するとインフルエンザA型(H1N1、B型)に対する抗体価が高く、通常とは異なりました

 

1073R-1乳酸菌がインフルエンザワクチン接種後の抗体価をより高めるための補助の役割を果たし、インフルエンザワクチンの効果を高めることができると示唆されました。

参考明治ホールディングス株式会社「乳酸菌1073R-1株試験結果」

以上、ヨーグルトに含まれる乳酸菌でインフルエンザ予防に効果があるについてご紹介しました。