マラリアが引き起こす遺伝子の変化!マラリアの概要と鎌状赤血球貧血症

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 蚊を媒介してマラリアに

今までにマラリアという感染症を聞いたことがない人はいないと思います。人はどんな生物よりも蚊に殺されています。その中でも特に怖い病気がマラリアなのです。

日本国内には感染者が持ち帰るケースが毎年起こりますがそこから蔓延することはありません。そこで、マラリアとはからマラリアに適応するために人側の遺伝子の変化までご紹介したいと思います。

マラリアとはどんな感染症?

マラリア原虫をもったハマダラカ種の蚊に刺されることで感染する病気です。マハダラカ種の蚊は400を超える種類がいますが、マラリア原虫を媒介する蚊は約30種類です。しかし、見た目で分かるわけではないので、蚊に刺されない予防策が必要です。

免疫をもたない人では、通常、感染した蚊に刺されてから10日~15日で、症状が現れます。発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状がでますが、風邪のような感覚であまりマラリアとは気づかない人も多いです。しかし、5歳以下の子どもは要注意で、マラリアで亡くなる人の約64%にあたりました。(2016年)

マラリア分布図

WHOによると2016年にマラリアに感染した人は2億1,600万人死者は44万5,000人と報告されています。(2015年も同程度でした。)

マラリアの危険がある地域は、アフリカやアジア南米などの赤道付近の国で91ヶ国にもまたがります。

参考WHO International travel and health. Malaria, countries or areas at risk of transmission

マラリアに対する予防薬について

マラリアは予防薬として抗マラリア薬があり、感染リスクがある場合には服用することができます。蚊にかまれたとしても、血液中でマラリア感染を押さえ込み、発症を防ぐことができます。

抗マラリア薬には、予防目的で服用するケースとマラリアに感染した可能性がある時に、自らの判断で抗マラリア薬を服用するケースの2種類あります。

また、感染リスクがある地域では、妊婦や乳幼児に服用を推奨しています。また、旅行者としていく場合には任意となっていますが、感染した場合重篤な合併症の危険であるならば使用すべきです。但し、薬には副作用のリスクがあるので総合的に判断すべきです。

参考WHO. Fact sheet, Media Centre. Updated November 2017 Malaria

マラリアによってもたらされた人の変化とは

マラリアの人への適応は宿主である人にも変化をもたらしました。マラリアは主に乳幼児と妊婦での死亡率が高く、また流産や早産を引き起こす原因にもなっています。

そのためマラリアが流行っている地域において鎌状赤血球貧血症がみられるようになりました。これは、マラリアに対する人の遺伝的な適応で引き起こされました。

鎌状赤血球貧血症とは、通常の赤血球の形が鎌形になる病気で貧血をおこします。11番染色体上にあるヘモグロビン遺伝子の変異が原因です。

子孫に劣性遺伝して(ツイになっている遺伝子どちらもが劣性)、貧血だけでなく、骨壊死(骨への血液の供給が阻害されることで、骨に養分が届かず、壊死すること)微小管閉塞、脳神経障害といった溶血による合併症を併発し、成人する前に亡くなることが多いです。

一方、一つの染色体のみ変異遺伝した場合は、鎌状赤血球症傾向と呼ばれます。鎌状赤血球症傾向は、重度の合併症を引き起こすことは少なく、マラリアの増殖を抑制して症状を緩和することができます。

マラリアは蚊で媒介

遺伝子が変化しまた環境が変わるとどうなるか

マラリアが流行している地域では、鎌状赤血球症傾向の人は、鎌状赤血球貧血症の人や正常な遺伝子を持つ人よりも高確率で生き残ることができ、子孫を残すことができやすくなります。

その結果、正常の遺伝子を持つ人と変異遺伝子を持つ人の割合が一定の値になっていき、アフリカのある地域では、3分の1の割合で変異遺伝子を保有していました。ただし、これはマラリアの流行度によって大きく変わります。

一方、流行していない地域に移り住んだ人にとってこの遺伝子はデメリットになる場合があります。

例えば、マラリアがないアメリカでは、アフリカ系アメリカ人の500人に1人の割合で鎌状赤血球貧血症(アメリカ全土では5000人に1人)と言われています。

参考その他の蚊を媒介した主な感染症はこちらから

生き物は、環境に適した生態や能力を獲得していきます。他方、今までに適応したことも環境が変化すれば不適応となる場合があります。(もちろん、時間をかけて変化に適応していきます。)

以上、マラリアが引き起こす遺伝子の変化!マラリアの概要と鎌状赤血球貧血症についてご紹介しました。

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