子どもは注意!春にかかりやすい溶連菌感染症とは?

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子どもが春にかかる感染症

春には、幼稚園やこども園の入園の時期です。環境の変化や季節の変わり目ということもあり感染症も流行しがちです。

インフルエンザやノロウイルスなどはひと段落つくころですが、再度集団生活が始まる中でその他の感染症が出てきます。

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はしか、風疹、水ぼうそう、ロタウイルスや溶連菌感染症が多くみられます。

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今回は、春に流行する溶連菌感染症と大人も感染する劇症型溶血性レンサ球菌感染症についてご紹介したいと思います。

Contents

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症を引き起こす原因となる細菌は、溶血性レンサ球菌と呼ばれます。

細菌が外部から侵入し、皮膚やのどに感染します。症状として、全身のだるさ、咽頭炎・扁桃炎(のどの痛み)などが現れ、嘔吐を伴うこともあります。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、小児科定点医療機関(全国約3,000カ所の小児科医療機関)が週または月ごとにとりまとめて、保健所に届け出る必要がある感染症です。

また、小さく赤い発疹を伴う猩紅熱(しょうこうねつ)といった病気を引き起こします。(重症化した場合)

補足:髄膜炎、肺炎、敗血症リウマチ熱、急性糸球体腎炎などの合併症を引き起こす可能性があります。

2~5日のほどの潜伏期間を経てから症状が現れます。発症してから熱は、約3~5日程度で下がり、発症から約1週間で症状は軽減します。

溶連菌感染症は、細菌性の感染症のため、抗生物質を使用できます。医師の指示にしたがって薬を飲みきることが大切です。

注意:熱が下がったからといって途中で抗生物質をやめるとすべての細菌を殺菌できていないため、その抗生物質に耐えることができる耐性菌の恐れがあり非常に問題となります。

溶連菌感染症は子どもに多い

溶連菌感染症は、3歳以下や大人には症状が現れにくいです。しかし、幼稚園や小学校の子どもがかかりやすい感染症です。

幼稚園、子ども園、保育園での出席停止期間の基準として、抗生物質治療開始から24時間経過して全身の状態がよくなれば登園することができます。長くとも初診日と翌日を出席停止とします。

溶連菌感染症は第3種感染症に分類され、日本小児科学会によると、第3種感染症は以下の措置をおこなう疾患です。

学校で流行が起こった場合にその流行を防ぐため、必要があれば、校長が学校医の意見を聞き、第3種の感染症としての措置をとることができる疾患である。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症

劇症型溶血性レンサ球菌感染症も同じくA群溶血性レンサ球菌が原因でおこる感染症です。

国内で劇症型溶血性レンサ球菌感染症に罹患したすべての人数を7日以内に保健所に報告しなければいけません。

2015年は415人、2016年は494人、2017年は588人、2018年は693人、2019年4月14日までに265人の感染が報告されています。

溶連菌にて吐き気

48時間以内に適切な処置をしなければ死に至る可能性が高いと言われており、罹患者の致死率は約30%と極めて高い感染症です。

さらに恐ろしいことに、命が助かっても、壊死した部分は元には回復しないため、さらなる感染症を防ぐために移植や感染部位の切断の手術をおこないます。

子どもから大人まで広範囲の年齢層に発症します。特に、30歳以上の大人に多いのが特徴のひとつです。

溶連菌は2次感染を引き起こす

溶連菌感染症は、繰り返しかかることもあり、子どもから大人にうつることもあります。

感染経路は咳やくしゃみなどの飛沫感染や溶連菌に汚染された食品が原因、菌が付着したものを口から間接的に侵入し感染する接触感染です。

溶連菌感染症の予防策として、手洗い、うがい、マスクの着用、タオルや食器を分けて使用すること、次亜塩素酸水溶液やアルコールなどの除菌剤を使うなど行うことをオススメします。

以上、子どもは注意!春にかかりやすい溶連菌感染症とは?についてご紹介しました。