狩猟時代には感染症は少なかった!ウイルスと人の共生について

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狩猟感染症

狩猟をしていた時代は人々の集団は、農耕が始まって定住して集落を作る時代の人々に比べて各々の集団の人数が少なかったです。それは、狩猟をする動物やクルミや果物の植物などの自然環境に大きく依存していたため移動しなければいけませんでした。

その後、農耕が始まると食料の確保が容易になることで、出産の間隔も短くなり人口が爆発的に増えて生きました。(移動する必要がなくなったこと、育児の労力をかけることができたことなど)

人々が定住し、一つのエリアに人口が増加することで必然的に病気が増えていく問題を慢性的に直面していました。

補足:狩猟時代には感染症にかかった重症な人は置き去りにしていたと言われています。

定住すると糞便などに触れる機会が多くなるためそこから感染症が蔓延する可能性が高くなります。そのような感染症は、糞便に含まれる寄生虫から引き起こされ、再度人の中に侵入し感染するサイクルを確立します。

また、農業によって得た作物は翌年のために貯蔵するためにそれを狙ったネズミや小動物の餌となります。それらの動物からライム病、ペスト、野兎病などの感染症を人の社会に持ち込みました。

感染症の対策として抗生物質ペニシリンの開発

1929年に病原体への対抗策として初めて抗生物質が登場しました。イギリスの細菌学者のアレクサンダーフレミングは、実験の培養中に発生した青カビがブドウ球菌の発育を阻害することを発見しました。

培養中の青カビの周辺にブドウ球菌が発育しない領域がありました。仮説として、その領域には青カビが産生する物質に抗菌作用があると考えその物質を「ペニシリン」と名付け論文にて発表しました。

以後1942年に、エルンスト・ボリスチェーン(ドイツ)とハワード・フローリー(オーストラリア)により治療効果と化学組成を明らかにしてペニシリンの単離することができ抗生物質として開発されました。

その結果として第2次世界大戦中の多くの負傷兵に使用されて多くの人を救いました。歴史上、銃弾による死者数よりも感染症による死者数が下回った初めての戦争となりました。

ペニシリンの開発を皮切りに、違う感染症にも効く抗生物質の研究が進められてきました。細菌だけでなく、ウイルスに対する抗ウイルス薬も同様に進められています。

家畜から持ち込まれた感染症

作物だけでなく畜産を始めるようになるとそれらの動物由来のウイルス感染症が人にうつりました。家畜にされている動物は馬、鶏、豚、羊、ヤギ、ラクダなど約20種類程度で多くの感染症は家畜由来なのです。

豚、犬→百日咳

アヒル→インフルエンザ

牛→天然痘

犬→麻疹(はしか)

これらの動物には悪さをしないウイルスも人間に感染すると病気の発症をもたらします。また、同様に人間から家畜にも病気をもたらした菌やウイルスもいます。

このような生態的な変化によって本来野生動物が持っていたウイルスや菌は新しい宿主(私たちヒト)に適応していきました。もちろん、家畜を始める前からもあった可能性はありますが、家畜化によって加速度的に増加していきました。

ウイルスが人へ適応する過程とは?

ウイルスは弱毒性

ウイルスが人へ適応していく段階は明確に区別されているわけではありませんが、5ステージごとに分けることが可能です。

第1ステージ

適応準備ステージで、感染症は家畜や野生動物から引っかき傷やかみ傷を通じて人に直接感染します。そこから人から人へは感染はしません。

例 レプトスピラ症、猫引っかき病など

第2ステージ

適応初期ステージで、人から人への感染が起こります。しかし、初期であるため感染率が低く流行は自然に終息していきます。

例 SARS、カリニ肺炎など

第3ステージ

適応後期ステージで、ウイルスが人への適応し、定期的な感染を引き起こします。

例 エボラ出血熱、ライム病など

第4ステージ

適応ステージで、ウイルスが人に適応したために人でしか存在できない感染症です。

例 天然痘、HIV、麻疹(はしか)など

第5ステージ

過度適応ステージで、人に適応しすぎたために、人の生活様式や環境の変化にウイルスが適応できません。そのため、次第にウイルスが消えていきます。

例 成人T細胞白血病ウイルスなど

これらのステージから分かることは、新たに出現する感染症や社会から消えていく感染症があり、時代によって常に変化していきます。

ウイルスは長期的には弱毒性の病原体になっていく?

病原体からしてどのような環境に適応できると生き残れるのでしょうか。

通常感染者が元気で動き回ってもらうほうが違う人へ感染することができ増殖することができます。インフルエンザや風邪など飛沫感染する可能性があるものは弱毒性であって症状が軽くあれば動き回ってもらえます。

従って、インフルエンザウイルスも長期的には症状が軽くなっていく可能性があります。一方、短期的に見ると流行が爆発的に起きる環境であれば強毒性にて重症化を患者にもたらす可能性も示唆されています。

感染力の強いウイルスであるほどその傾向があります。エボラウイルスがその一例です。

感染すると死に至る可能性が高いものは非常に人類にとって脅威となります。

しかし、強毒性ウイルスは自らが強毒であるため宿主を殺めて自分自身も消滅してしまいます。

そのため、長い期間になるほど共存関係である宿主に感染しても、潜伏期間を長くして感染効率を高め、致死性を下げるような弱毒性のウイルスに変化していきます。

ウイルスがいるから私たちは守られている?

さらに、人が完全にウイルスと共生することができれば、人類にとってとてもメリットのある話かもしれません。

例えば、エイズはHIVによって感染します。一度発症すると致死率は95%以上で治療なしだと10年で発症し数年で死に至ります。

かし、治療をすれば発症を遅らすことができ寿命を全うできるようになりました。そのHIVのおかげで他のウイルスの侵入を防ぐことができたら?どうでしょうか。

いつかHIVと共生することで良かったと思える日がくるかもしれません。もしかすると、病気をもたらさないウイルスのおかげで新たなウイルスの脅威から私たちを守ってくれているかもしれません。

以上、狩猟時代には感染症は少なかった!ウイルスと人の共生について

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