感染症を引き起こす寄生虫やウイルス・微生物について

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寄生虫感染症

感染症を起こす病原体としてウイルス、細菌、カビ、原虫、寄生虫などがあります。これらの病原体は人から人へまたは、動物から人に感染し、病気を発症します。

ウイルスや細菌がもたらす病気はたくさんあって紹介しきれないので、今回は主に寄生虫由来の感染症とウイルスや微生物はどのようなものが病原体として残ってきたかご紹介したいと思います。

Contents

寄生虫由来の感染症には何がある?

通常寄生虫は、産卵や無性生殖するなどにより感染症を引き起こします。ウイルスや細菌と異なり寄生虫には寿命があり、本来動物や土壌に住んでいるため人が集団で生活する都市部では感染しにくいと言われています。

それでは、寄生虫が引き起こす主な感染症について見てみましょう。

日本住血吸虫症

ミヤイリガイから水中にでた幼虫が人の皮膚に入りこみ、門脈内で成長し交尾して生み出された卵が肝臓内に蓄積し、肝硬変を引き起こします。寿命は2〜15年程度です。検便によって感染しているか確認します。

今現在では、日本ではミヤイリガイがいなくなっているので過去の病気といえますが、海外に渡航して感染するケースもあるそうです。

糞線虫症

糞線虫病気 

東南アジアなどの熱帯地方の土壌に住んでおり、その幼虫が人に経皮感染(病原体を保有する動物や昆虫にかまれる、傷口から侵入するなど)すると血流やリンパ流を介して肺を通り腸管に移動しそこで成虫となり卵を産みます。

腸管で孵化した幼虫の一部が再度血液やリンパ流を通して再度感染します。一旦、糞線虫に感染すると一生体内にいることになります

感染者の免疫が低下した時には、髄膜炎や敗血症などの危険な細菌感染による合併症を引き起こします。ごく稀に人から人へと感染する可能性があります。症状として、皮膚のかゆみから始まり腹痛や下痢などが現れます。

フィラリア症

フィラリア(糸状虫)感染者の血液中に大量のフィラリアが存在します。

アカイエカが感染者を吸血した時にかの体内で2週間かけてフィラリアが幼虫に成長します。この蚊が違う人に吸血した時に感染させます。

感染者は、陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)や象皮病を引き起こします。フィラリアの寿命は15年です。象皮病とは皮膚や皮膚組織が顕著に増殖して硬化し、象の皮膚のように見えるためにこのように呼ばれます

熱帯亜熱帯地域で感染する可能性があります。

エキノコックス症

エキノコックスの卵を口から摂取することで感染します。しかし、エキノコックスは人から人へ感染はしません。手洗いを十分にすること、野菜などは加熱することで予防することができます。

エキノコックスの卵を摂取すると腸管内で孵化し、血液やリンパ流を通って肝臓内へ移動し、そこで増殖して、肝機能障害を起こします。

増殖する期間がかなり長いため、手術をして摘出しないと死ぬ場合があります。

症状として、肝臓の腫大、腹痛、黄疸、貧血、発熱や腹水貯留などの初期症状が現れるまで、成人では通常10年以上を要すると言われています。放置すると約半年で腹水が貯留し、やがて死に至ってしまいます。

国立感染症研究所によると、2018年の1月〜5月までの間に累積3人の感染症が報告されています。(特に北海道が主な寄生虫の病気です。)

回虫症

野菜などに付着していた卵を食べて腸内で孵化して成長します。回虫の寿命は1年程度です。

回虫が小腸であまり動かない時には症状はほとんどありません。しかし、幼虫が肺を通時には微熱や喘息のような症状がでます。寄生虫が多い時には腹痛、下痢、吐き気などもあり動き回る時には痛みを感じます。

通常は、検便によって感染しているか分かります。

微生物・ウイルスは環境適応したものが生き残る?

ウイルスや微生物はどのようにして進化してきたのでしょうか?そもそも進化ではないのかもしれません。

生物が子孫を残す時に遺伝子の情報を複製します。この複製をする時に稀に遺伝子の一部に複製の失敗(変異)が起きます。

子供は親と全く同じDNAを持つのではなく、わずかですが親とは若干異なる遺伝形質を持った子どもが生まれます。

その変異遺伝子を持った子供がより環境により適応して生き残っていくのであれば、徐々に変異をもった遺伝子の集団母数(人たち)が多くなります。これはいわゆる「自然淘汰による進化」と呼ばれます。

これは、あくまで理論であってまだ証明はされていません。

細菌やウイルスの増殖サイクルは早い

人間の世代交代は30年ですが、細菌の世代交代は非常に短時間で起こります。

例えば、大腸菌であれば、約20分で、腸炎ビブリオでは約8分と言われます。従って、細菌やウイルスに増殖する機会があればあるほど、変異する可能性が非常に高いということです。

ウイルスにはRNAウイルスとDNAウイルスを持つウイルスがおり、特にRNAウイルスの場合は、複製された時に変異を起こしやすいです。(インフルエンザはRNAウイルスです)

病原性のあるウイルスは人間の生きた細胞内でのみ増殖します。ウイルスの立場になって考えると非常に面白いのですが、ウイルスが仮に人を全滅させるような強毒型のウイルスばかりになってしまうとウイルス自体生きる場所もなくなるので死んでしまいます

参考【強毒型】新型インフルエンザのすべてについてはこちらの記事からどうぞ!

ウイルス自体が生きていくために人を殺さないほうが理にかなっているのです。

もし仮にそのような強毒性のウイルスが拡散したとしても一定の人は生き残り、全滅には至りません。(現に、エイズ感染者で耐性を持つ人がいます。)

それらの人は、ウイルスが増殖しにくい性質、免疫が高いなどの理由により一定の割合の人は必ず生き残ります。面白いことに、病原性のあるウイルスと人は共存の方向へと向かっていると言われます。微生物や寄生虫など特徴を知っていれば対策もとれますね!

以上、感染症を引き起こす寄生虫やウイルス・微生物についてご紹介しました。

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