ノロウイルスは幅広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こすウイルスで、カキなどの二枚貝から感染したり、ヒトからヒトに感染することが知られています。
ノロウイルスは小腸の粘膜で増殖していき、主に11月から3月の冬場に多く発生しますが意外なことに年間を通して患者は存在しています。
感染力がものすごく強いため、特に免疫の弱い子供は学校や保育園などで感染が拡大して集団感染になるケースが多く見受けられます。
ある研究者は世界人口の15%くらいの人口がノロウイルスによって胃腸炎を患うと推計しているそうです。
それでは、ノロウイルスとその治療薬について見ていきましょう。
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ノロウイルスの特徴はなに?
ノロウイルスを接触感染または飛沫感染した場合すぐに症状が現れるわけではなく、潜伏期間が1〜2日あります。
細菌性の食中毒は食品の中で増殖しますが、ノロウイルスは人が大好きで、人だけに感染して病気を引き起こします。
症状は、吐気や嘔吐、下痢、発熱、腹痛、頭痛、筋肉痛が起きますが、軽症の場合は、気持ちが悪い程度で終わります。
そのため、下痢やおう吐が続いた場合は、脱水症状を起こす可能性が高いので、小まめに水分補給をし、早めに医療機関を受診し点滴などの処置をしてください。
ノロウイルスの治療薬はない!
冬になると猛威を振るうノロウイルスですが、治療薬があればいいのですが、実は、現在ノロウイルスに効果がある治療薬はありません。
つまり、対症療法を行います。
治療法としては、ノロウイルスによるひどい嘔吐や下痢から引き起こされる脱水症状を防ぐために、水分をしっかり摂取してしっかり体を休めることとなります。
医者から処方される薬は対症療法として、胃腸の調子を整えるための整腸剤もしくは、吐き気止が処方されますが、下痢止めを処方されることはほとんどありません。
ノロウイルスになった時には下痢止めを使わないほうがいい
下痢の症状は確かに辛く、何とか止めたいという気持ちもよく分りますが、下痢の中にはたくさんのウイルスが含まれて排泄されているため、安易に下痢止めの薬を使ってしまうと便からウイルスを排泄することができないため、体内にウイルスが残ってしまってなかなか治らないのです。
なので、できるだけ早くノロウイルスを完治させたいのであれば、辛くても下痢をとめようとはせずに、しっかりウイルスを排出することを考えましょう。
その時には、周りの家族に感染しないように十分に気をつけなければいけません。トイレを流す時には蓋をすることや、使用後にはノロに効く次亜塩素酸水溶液のスプレーをたくさん使用してください。
下痢は体内から水分も多く排出されてしまうため、しっかり水分を摂取しなければ脱水症状を引き起こしてしまいます。
ただの水よりも、スポーツ飲料を薄めて飲む方が体内のバランスを損なうことなく効率的に水分補給をすることができるのでおすすめです。
ノロウイルスの時に処方される薬は整腸剤と吐き気止め
基本的には処方薬も下痢止めや吐き気止めは使わず、整腸剤を用います。ノロウイルスの菌は腸管内にいるので、整腸剤を使って、弱った腸の機能を正常に戻すように働きかけてあげます。
吐き気止めの条件として何度も嘔吐していて水分補給ができない場合です。これも医師の診断に従ってください。
少しでも食欲がある場合は、人参やかぼちゃなどの緑黄色野菜を細かくした温かいスープや消化の良い煮込んだうどん、おかゆなどが良いです。
二次感染は本当にすぐ起きてしまいます。他人にうつすことを防ぐ為に、手洗い、うがい、除菌を徹底してください。
市販されている薬ではなく、処方の薬を飲むべき理由
ノロウイルスには有効な特効薬がなく、嘔吐や下痢の症状がでているからといって、家に残っている薬を使用することはおすすめできません。
例えば、下痢の症状は一刻も早くウイルスを外へ出そうとする体の防御反応だし、発熱しているということは免疫が活性化してウイルスと戦いやすい環境を作っているのです。
自己判断で市販の下痢止めを使用したり、解熱剤を使用することで治りが遅くなってしまうのでやめましょう。
基本は、医者からの診断があって、それに従うことが間違いないです。
ノロウイルスだと思っていたら違う病気だった場合治らないし、逆効果になってしまうこともあるので注意しましょう。
まとめ
ノロウイルスは感染力が強力なので、2次感染には十分注意をしましょう。
また、ノロウイルスをやっつける治療薬はありません。
医者から処方された整腸剤や吐き気止めを使用するようにしましょう。
自己判断で、むやみに市販の薬を使用する必要はありません。
ノロウイルスは対症療法をするしかないので、脱水症状に気をつけて安静にしましょう。
以上、ノロウイルスを治療するための薬はない?感染した時の対応方法についてご紹介しました。