ノロウイルスは何度も感染する?ノロの原因(カキ)、検査、予防接種について

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【追記2018年5月30日に再度記事を更新しました。】
病院でノロの検査

ノロウイルスの感染力が強く普通のアルコールの除菌剤では効果がないので、国内でも感染者がたくさん発生しています。

ノロウイルスはたった10~100個のウイルスを取り込んだだけでも感染し、発症する可能性があると言われています。2、3次感染には注意が必要です。

ノロウイルスの原因はなんなのか、ノロウイルスに感染したか検査するには、ノロウイルスになって免疫はつくのか、予防接種はあるのかなどご紹介していきたいと思います。

Contents

2017年-2018年のノロウイルスの国内の感染者数

まずはじめに国内での感染性胃腸炎(ノロウイルスやロタウイルスなど)の流行についてお話します。

国立感染症研究所によると、2017年1月〜10月10日までのデータで約3,000カ所の小児科の病院または診療所からの定点医療機関からの報告件数は659,116件です。

例年の傾向でも1,000,000件を超えていることから今年の推移をみると例年と変わらないと言えます。

また、広島市健康福祉局衛生研究所生活科学部が出している統計で、感染性胃腸炎の患者から検出されたウイルスの種類別割合でみると56%がノロウイルス、10%がロタウイルスエンテロウイルスとアデノウイルスが12%、残り10%がその他という割合でした。

従って、日本国内と比較すると差が多少でるかもしれませんが、例年起きる感染性胃腸炎の半分以上がノロウイルスであると推測できます。

推移をみると2017年1月〜10月中旬までで、定点医療機関当たりノロウイルスが原因な事例は30〜40万件であると言えます。

しかし、これはあくまでも3000ヶ所での報告なので10倍程度300万〜400万件は日本国内でも発症していると推測します。

 参考 広島市健康福祉局衛生研究所生活科学部:広島市における年次別疾患区分ウイルス検出状況(1982-2017)

ノロウイルスの原因はカキ?

ノロウイルスに感染した人の中には、その前にカキを食べたという人もいます。

カキはあたりやすいと言いますが、それはカキのような二枚貝が生きていくときにノロウイルスに汚染された海水を取り込んでいくので、ウイルスがどんどんとカキの中に蓄積されていくことが原因です。

但し、ノロウイルスの増殖は人間に感染してから始めるので、取り込まれたウイルスが増えているわけではありません。

さて、このカキに蓄積されたノロウイルスですが、生で食べられることの多い食材ですから、そのまま人の体内に入ってしまいます。

そのまま胃腸に入り込んだウイルスは、ようやく増殖を開始して、毒素を生成して下痢や嘔吐といった症状を引き起こします。

ウイルスであるならば、熱を通せばよいのかというと、それは正解なのですが実際に出来るかは別の問題です。

例えばカキフライのように衣をつけて揚げるとき、まだ中が半生の状態であったとしたらノロウイルスを失活化(活性化しないようにする)ことができていないので、あたってしまいます。

注意:カキを食べる時は十分加熱をして食べましょう!

ノロウイルスの被害を防ぎたいのであれば、中心の温度が85度以上の状態で1分以上十分に加熱するようにしましょう。

また、感染しても健康で免疫が高い状態であれば問題なく終わる事が多いので、体調が良い日に食べるようにしましょう。

カキに含まれるノロウイルスを除去する技術を開発

2018年の5月25日にヤフーニュースで紹介されていた記事によると、京都市内にある電子部品メーカーが開発した技術で、カキの内部にいるノロウイルスを取り除く技術が作られました。

参考京都新聞「カキのノロウイルス、極小の泡で除去 京都の企業が開発」

カキの産地である広島の業者と実証実験をして極小のバブルを利用してウイルスを99.92~99.96%(品種によって差あり)除去することに成功しました。カキに含まれるノロウイルスの除去で比較されている紫外線を使ったウイルス浄化よりも効果がありました。

今後実用化されると安心して生牡蠣が食べれる日がくるかもしれませんね!今後のさらなる研究に期待します!

ノロウイルス再感染に注意!ノロは免疫はつかない

ノロウイルスは、再感染する可能性が高い感染症であり、予防を怠っていると一度感染した後でも何度もかかることがあります。

と言っても、再感染する可能性があると言っても、インフルエンザなどと同じように一度感染すれば免疫はつくのですが、ここには注意しなければいけないポイントが2つあります。

1つは、ノロウイルスの免疫力の持続期間は長くても約2年、短ければ半年程度しか持たないという研究結果も報告されていることです。

但し、ノロウイルスの免疫の持続期間についてはっきりと解明されているわけないので、一度感染したからといって安心する事はできないというわけです。

2つ目に、ヒトに感染するノロウイルスには多数の遺伝子の型があり、その数は31種類にも及びますから、同じ人が1年の間に何度も再感染する可能性があります。

さらに、流行する型が複数存在し、ノロウイルス自体の遺伝子が変化する可能性もあるため再感染する可能性が高いと考えられているのです。

ノロウイルスに感染した人の中には比較的軽度の症状で済む人もいれば、重症化してしまう人など人によって差がありますが、個人の免疫力との関係性に関してはまだ解明されていません。

ただ、ノロウイルスに暴露した量や免疫の高さなど感染しやすさは個人差があり変わってくると言われています。

ノロウイルスの検査方法

ノロウイルスを検査する方法は実は、一般の医療機関では確立されておらず、問診だけで有無の判断が下されてしまう事が多いです。

検査用のキットが存在しているものの、まだ潜伏期間の段階であったり、何らかの理由により陽性反応が出ない場合もあることから、体力が無くて重症化しやすい高齢者もしくは幼児のみに用いられます。

他には電子顕微鏡を使用する方式があるのですが、キットに比べると大掛かりな検査になりますし、限られたごく一部の機関でしか受けられない上に、明確な理由がなければ実行されません。

ノロウイルスで病院にて予防接種

ノロウイルスに予防接種はあるの?

ウイルス性の病気である上に流行する時期も似ているため、インフルエンザと同じ認識が持たれやすく、予防接種を受ければ事前対策が行えると考えられることもあるのですが、実はまだノロウイルスの予防接種は存在していません

→インフルエンザワクチンの予防接種はいつから?ワクチンと副作用についてはこちらからご確認ください!

毎年流行する上に強い吐き気や腹痛に見舞われ、命の危険もあることから予防接種を目的としたワクチンの研究開発が活発に行われているものの、インフルエンザのように一般化するのはまだ先になります。

補足:ノロウイルスと似ている症状で、5歳以下の乳幼児がかかりやすいロタウイルスがありますが、こちらは予防接種するワクチンがあります。

そのため、現時点でノロウイルスにかからないようにする対策としては、徹底した手洗いと次亜塩素酸水溶液を使用した除菌剤を使用して体内に取り込む前に除去する方法が有効です。

まとめ

ノロウイルスは、カキが主な感染経路で腸で増殖します。

ワクチンが開発されていなく国内でも流行性の胃腸炎の主な原因になっています。ノロウイルスは一度感染したとしても再度感染してしまう可能性が高いです。

さらに、アルコール除菌の効果がないと言われていますので、予防する際には以下のことが大切です。

・食材は加熱をしっかりすること

・食器類は次亜塩素酸水溶液を汚れがない状態で吹きかけること

・トイレがいちばんの感染源となるので次亜塩素酸で清掃が必要なこと

・手洗いをこまめにする

ノロウイルスに感染すると基本的には治療薬はありませんので、整腸剤や痛み止め点滴などの対症療法にて行うことを知っておきましょう。

以上、ノロウイルスは何度も感染する?ノロの原因、検査、予防接種についてご紹介しました。